Museum of Niigata Univ. Phys. & Eng.

SI単位系

国際単位系(SI) について


国際単位系(仏:Le Système international d'Unités)のはじまり

1948年:国際度量衡総会(CGPM)で提案

1960年:国際度量衡総会で決議
    国際基本単位系が成立

 国際単位系(SI)では,いろいろな物理量の大きさを表す単位として,次元的に独立であると見なされる7つの量(基本物理量)として,長さ,質量,時間,電流,温度,物質量,及び光度を選定しました。さらに,これらの基本物理量に対して明確に定義した単位として,メートル[m],キログラム[kg],秒[s],アンペア[A],ケルビン[K],モル[mol],及びカンデラ[cd]を決め,基本単位としました。また,補助単位として,平面角[rad],立体角[sr]の2つの使用が認められました。
 その他の単位(組立単位)は,これら7つの基本単位から乗除算により導き出すことができる。
 この単位系の普遍性は,選択した基本物理量の普遍性のおよぶ範囲に限られ,例えば,粒子が光速に近い状態では空間と時間は同等なものになることが特殊相対性理論から知られています。このように,国際単位系は「すべての国が採用しうる一つの実用的な単位制度」として決められたものです。

基本単位
物理量 (名称 記号)
  長さ (メートル metre  m)
     光が真空中で1/299,792,458 sの間に進む距離
 質量 (キログラム  kilogram  kg)
     国際キログラム原器の質量
 時間 (秒 second  s)
     133Cs原子の基底状態の2準位の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間
 電流 (アンペア ampere A)
     真空中に1mの間隔で平行に置かれた,無限に長い2本の導体に2×10-7Nの力を及ぼす電流
 温度 (ケルビン  kelvin  K)
     熱力学温度の単位,ケルビン(K)は水の三重点の熱力学温度の 1/273.16
 物質量 (モル  mole  mol)
     0.012kgの12Cに含まれる原子と等しい数の構成要素を含む系の物質量
 光度 (カンデラ candela  cd)
     周波数540×1012Hz,放射強度 1/683W・sr-1の光度標準器の単位立体角内にでる光束

補助単位
  平面角 (ラジア radian   rad)
    円の周上で,その半径の長さに等しい長さの弧を切り取る2本の半径の間に含まれる平面角
  立体角 (ステラジア steradian  sr)
    球の中心を頂点とし,その球の半径を1辺とする正方形に等しい面積を球の表面上で切取る立体角


SI単位の10の整数乗倍を構成するための接頭語の名称,接頭語の記号,単位に乗ぜられる倍数は以下のように決められている。

国際単位系(SI)の接頭語(一部)

接頭語の名称 接頭語の記号 単位に乗ぜられる倍数
ペタ peta P 1015
テラ tera T 1012
ギガ giga G 109
メガ mega M 106
キロ kilo k 103
ヘクト hecto h 102
センチ centi c 10-2
ミリ milli m 10-3
マイクロ micro μ 10-6
ナノ nano n 10-9
ピコ pico p 10-12
フェムト femto f 10-15

(S.Harada)
参考文献:「単位の辞典」小泉袈裟勝,1965,ラテイス
SI: The International System of Units と英語で呼ばれるものを表す場合は,いかなる言語でも SI という記号を用いる。 「SI単位と物理・化学量 M.L.McGlashan (化学同人, 1974) p.36」