光(電磁波)の働き(エネルギー)を「測る」観点から,この単位を考える。この場合,「放射量」と「測光量」の2通りの考え方がある。「放射量」は光を放射する側でのエネルギーの単位であり,例えば,放射束(Radiant Flux Power: W=J・s-1)があげられる。他方,「測光量」は「比視感度」といって「眼」の感度も考慮したものである。すなわち,「測光量」は可視光域の測光を対象とするものであり,物理的刺激に対して引き起こされる物理刺激量である。
従って,国際単位の「光度」の定義は,自然界と人とのインターフェイス(橋渡し)の役割を果たしているとも言える。
「比視(ひし)感度)」:大勢のひとを対象に調べた結果,人の眼は明所視で波長555nmで,暗所視では500nm近傍に最大感度をもっていることが分かった。
光度(candela, cd) の定義:
古くは,ヘフネル(Hefner)灯と呼ばれる光度標準器(1890年)が用いられていた。
現在では,周波数540×1012Hzの単色放射を放出し所定の方向の放射光度が1/683 W/Srである光源を光度標準器と定義して決めている。