Museum of Niigata Univ. Phys. & Eng.

キログラム原器 (kilogram prototype)

物理学(1)p.11の解説図 (解説図が縮小されています。マウスを画面の右下に置くと画面サイズの記号が出ます。)

キログラム原器(kilogram prototype)の変遷
メートル法における「質量」の単位はキログラムである。ここではキログラムの定義の歴史とその考え方をまとめた。

1790年: アカデミー・フランセーズ(Acadmie francaise)の特別委員会で,メートルの1/10を稜とする立方体の蒸留水の質量を基準とする提案が可決された。

1799年: キログラムは4℃における純粋な水1dm3の容積が持つ質量とし,純白金Ptでこれと同じ質量の分銅をつくり,これを確定キログラム原器(kilogramme des Archives)とした。
この原器を採択したころからすでにこの原器が理論上の値と200〜300mgの差を持っていることが指摘され,また質量の単位の基準が長さによるのは整合性が良くないことが指摘された。

1889年: 第1回国際度量衡総会において,多数の新しいキログラム原器がメート原器と同じ材質のPt90重量%Ir10重量%合金で作成され,その中から「kilogramme des Archivesに最も近い1本が国際キログラム原器」に指定され,この原器の質量を1kgと定義・承認した。この取り決めは現在に至っている。

日本に公布されている原器(No.6),副原器(No.30)は日本国キログラム原器と呼ばれ,その質量は約30年ごとに国際度量衡局(パリ近郊)が保管する国際キログラム原器と比較され、その質量値が確保されている。

(S.Harada)
参考文献:「単位の辞典」小泉袈裟勝,1965,ラテイス