Museum of Niigata Univ. Phys. & Eng.
物価の変遷
千葉県柏市駅前の生そば「鈴や」さん(柏市末広町4)で見つけたもです。
かけそば,米一升の値段の推移がよく分かります。
さて,大正後期から昭和初期の物価です。1銭は1円の100分の1で,現在(2005年12月)のかけそばが500円くらいです。お米の値段は,精米10kg,4,312円(2005年新潟一般コシヒカリ卸売価格,米穀安定供給確保支援機構)とありますので,一升(1.5kg)は650円程度です。昭和初期の1円は1000〜5000倍程度の値打ちとなるようです。
このように大正から昭和初期の1円の値打ちがこの表からも推定できますが,戦後は物価指数も大きくかわります。
例えば,概ね同じ程度の性能・形状をしている,読みとり顕微鏡(旧制長岡 1-p10,No.4)の価格を比べてみましょう。この顕微鏡は戦後の間もない時期のものです。購入価格が,S.20.12.24 \980となっています。他方,2005年の価格を調べますと,\240,000(MM-660A,税別)となっており,やく250倍となることが分かります。当時のおそばを10円程度としますと,物価指数は500倍となるはずです。この辺りはそばの値段の推定が良くないのか,それとも,製作技術の向上による価格の低減によるものでしょうか。それにしても戦後間もない時期で,よく購入できたものと感心します。
なお,写真は鈴やさんにお断りをして撮らせていただいたものです。
(S.Harada)